平尾台を歩く
Location — Hiraodai Karst
平尾台カルストとは街から30分の大自然
福岡県北九州市小倉南区に広がる平尾台は、荘厳さと美しさをあわせもつ大自然。日本三大カルストの1つです。
- 国の天然記念物
- 1952年
- 北九州国定公園(平尾台域)
- 1,144ha
- 小倉駅から車で
- 30分

はじめて平尾台へ
- 平尾台は福岡県北九州市小倉南区に広がる日本三大カルストの一つ(ほかに秋吉台・四国カルスト)。
- 国の天然記念物(1952年・320ha)、北九州国定公園(1972年・平尾台域1,144ha)、福岡県立自然公園(1950年)に指定。
- 標高300〜700m、南北6km・東西2kmにわたって石灰岩が点在します。
- 羊群原(羊の群れのような石灰岩)、ドリーネ(すり鉢状の窪地)、鍾乳洞(千仏・牡鹿・目白)。
- 草原の景観は、毎年2〜3月の野焼きによって人の手で維持されています。
- 楽しみ方は季節で変わる:2〜3月は野焼き、夏は緑の羊群原、秋はススキ。天気が悪い日は鍾乳洞、夜は星空。
- 小倉駅から車で約30分。
Nature
街から30分の大自然
福岡県北九州市小倉南区に広がる平尾台は、荘厳さと美しさをあわせもつ大自然。日本三大カルストの1つ。
高原の爽やかな空気、大地のパワー、四季折々の美しい景観、神々の伝説、開拓の歴史、平尾台の土地と寒暖差で育つ甘くて美味しい野菜など魅力あふれるエリアです。
天然記念物、国定公園にも指定され、石灰岩が雨や地下水で溶けて独特な地形をつくりだしています。羊の群れのように見える原「羊群原」、すり鉢状の窪地「ドリーネ」、地下の川が流れる「鍾乳洞」など様々な自然を体感できます。
平尾台の基本データ
- 場所と広さ
- 福岡県北九州市小倉南区ほか。行橋市・香春町・苅田町・みやこ町にまたがり、標高300〜700m、南北6km・東西2kmに広がります。
- 成り立ち
- 結晶質石灰岩からなるカルスト台地。日本三大カルストの一つです。
- 三つの指定
- 国の天然記念物(1952年・昭和27年指定・320ha)、北九州国定公園(1972年・昭和47年指定・平尾台域1,144ha)、福岡県立自然公園(1950年・昭和25年指定)。
- 地形と景観
- 羊群原、ドリーネ、鍾乳洞(千仏・牡鹿・目白ほか)。景観は、毎年2月下旬〜3月上旬ごろの野焼きで保たれています。
Geology & History
石が、ひつじになるまで
平尾台の石灰岩は、およそ3億5000万年前、赤道近くのあたたかい海でサンゴやフズリナがつくったサンゴ礁に由来します。その石灰の層はプレートに乗って北へ移動し、約2億5000万年前に大陸と衝突。約1億年前にはマグマに焼かれて、きらきらと光る結晶質石灰岩になりました。
地上に現れた石灰岩を、雨が長い時間をかけて溶かしていきます。すり鉢状にくぼんだ「ドリーネ」も、地下水が刻んだ「鍾乳洞」も、この溶食がつくったものです。鍾乳石は、一粒のしずくが100年かけて爪がのびるほどしか育ちません。
やがて人がこの台地に入ります。江戸時代、草原はふもとの村が共同で管理する採草地でした。牛馬の飼料や、茅葺屋根の材料となる茅を刈り取る場所です。明治末期からは陸軍の演習地となり、戦後は開拓団が石だらけの土地を鍬一本で耕しました。1952年に国の天然記念物、1972年に北九州国定公園に指定されます。
そして人々は、草原に点在する白い石灰岩を、草をはむ羊の群れに見立てて「羊群原」と名づけました。長い大地の物語と、それを受けとめた人の想いが重なったとき、石はひつじになったのです。
このセクションの内容は、平尾台の魅力を発信するメディア「平尾台で出会う旅」の物語「そして、石はひつじになる。」を要約したものです。全文は同サイトでお読みいただけます。
地層で読む、平尾台の時間上ほど新しく、下ほど古い。
- 1972年:北九州国定公園に指定
- 1952年:国の天然記念物に指定
- 江戸時代:ふもとの村が共同で管理する採草地に
- 1億年前:マグマに焼かれ、きらきらと光る結晶質石灰岩に
- 2.5億年前:石灰の層がプレートに乗って北へ移動し、大陸と衝突
- 3.5億年前:赤道近くのあたたかい海で、サンゴやフズリナがサンゴ礁をつくる
How to enjoy
平尾台の楽しみ方
平尾台は、季節と時間帯でまったく違う顔を見せます。初めての方は、まず平尾台自然観察センター(入館無料・月曜休館)で地形の成り立ちを見てから歩きはじめると、目の前の石や窪地の意味がわかって何倍も面白くなります。
季節ごとの見どころ
2月中旬〜3月
野焼き。草原に火が入り、焼けたあとは黒い大地から白い石灰岩が浮かび上がる。この時期にしか見られない景色。
春〜初夏
黒い大地から新芽が一斉に顔を出し、日ごとに緑が濃くなる。
夏
一面の緑の草原に白い石灰岩。羊群原がいちばん「羊の群れ」らしく見える季節。
秋
ススキの草原。逆光の朝夕は特に美しい。
冬
市街地より寒冷で、雪が積もることも。年によっては4月でも降雪あり。
歩き方の目安

はじめて1〜2時間
平尾台自然観察センターを起点に、羊群原を歩いてドリーネを眺める。石灰岩の点在する草原の真ん中に立てる、いちばん手軽なルートです。

羊群原+鍾乳洞半日
羊群原に加えて、千仏鍾乳洞など観光化されている鍾乳洞を見学。地下なので天候に左右されにくい見どころです(大雨のあとは営業状況をご確認ください)。

しっかり歩く最高峰 貫山 712m
「ライオン岩」「キス岩」「ど根性木」など、自然がつくった奇岩を探しながら台地を巡る。台地の最高峰は貫山(712m)です。
草原には目印の少ない場所やドリーネ(窪地)があり、霧が出ると方向を見失いやすくなります。歩きはじめる前に、平尾台自然観察センターで最新のルート情報を確認してください。ガイド付きで歩きたい方には、ハイキングガイドを宿泊オプションとしてご相談いただけます。
キャンプ・バーベキュー
平尾台では、ソラランド平尾台(平尾台自然の郷)にキャンプ場とバーベキュー施設があります。山の家 粋邑 HIRAODAI にご宿泊の方は、テント(4人用)・タープ(10人用)・BBQセットをオプションで借りて、芝生の庭でキャンプやBBQができます。
星空
市街地から離れた台地の上は、夜になると空が広く暗くなります。粋邑では「天体観測」をテーマにしたイベントも不定期に開催しています。最新のイベント情報はInstagramでお知らせしています。
Controlled burning
平尾台の野焼き
平尾台の草原は「自然のまま」ではありません。木がほとんど生えない一面の草原は、人が毎年火を入れてきたからこそ保たれてきた、人と自然の共作です。
- いつ
- 毎年2月中旬〜3月上旬ごろ。天候で延期されることもあり、2023年は2回延期されて3月5日に行われました。最新の日程は、北九州市・苅田町の告知をご確認ください。
- どれだけ
- 保護地域およそ330haを、1日で焼きます。
- だれが
- 東谷地区の平尾台野焼き委員会を中心とする地域住民(当日はおよそ100人)と、ほぼ同数の消防職員。
- そなえ
- 10月に「防火帯焼き」。総延長およそ8km・幅20mの防火帯をつくり、火の通り道を管理します。

野焼きの直後に訪れると、黒く焼けた大地から白い石灰岩が突き出す、まるで別の惑星のような景色に出会えます。そして夏が近づくにつれ、黒い大地から緑の若い芽が一斉に顔を出していきます。
この「火を入れて守る」という営みは、共有資源の管理や担い手の継承を考える研修の題材にもなります(企業研修・合宿の受け入れ)。
野焼きの歴史と、それを受け継ぐ人々の想いは、「平尾台で出会う旅」の物語「野焼きが生み出す風景」に詳しく描かれています。
※野焼きの当日は周辺の道路や遊歩道が規制される場合があります。見学の際は、必ず告知と現地の指示に従ってください。
Around
周辺の施設
粋邑を拠点に、車や徒歩で立ち寄れる場所です。
千仏鍾乳洞
カルスト台地が広がる平尾台には、千仏鍾乳洞、牡鹿鍾乳洞、目白鍾乳洞と3つの鍾乳洞の一部が観光化され、見学できます。幾千万年の時を経た鍾乳洞には地上では見られない神秘的な光景が広がります。
トレッキングコース
標高300〜700m、南北6km、東西2kmにわたり石灰岩が点在する一帯はトレッキングコースとしても人気が高く、「ライオン岩」「キス岩」「ど根性木」など、自然が生んだ珍しい風景にも出会えます。
ひつじcafé HIRAODAI
「山の家 粋邑 HIRAODAI」に隣接するカフェです。menu:オリジナル平尾台高原スパイシーカレー、マイルドカレー、コーヒー、ハーブティ等【週末Open】
新鮮食品館ケンちゃんの村
こだわりの朝採れ野菜やみそ、醤油、お米、お漬物、お寿司、お惣菜など店内に所狭しと並んでいます。産直市場とスーパーマーケットの要素も兼ね備えたお店です。
Map
周辺案内図

FAQ
よくあるご質問
平尾台カルストとは何ですか?
福岡県北九州市小倉南区を中心に広がる、結晶質石灰岩からなるカルスト台地です。秋吉台(山口県)・四国カルスト(高知県・愛媛県)と並ぶ日本三大カルストの一つで、国の天然記念物(1952年)と北九州国定公園(1972年)に指定されています。草原に白い石灰岩が羊の群れのように並ぶ「羊群原」が代表的な景観です。
平尾台はどう楽しめばいいですか?
初めてなら、平尾台自然観察センター(入館無料・月曜休館)で地形の成り立ちを見てから、羊群原を1〜2時間歩くのがおすすめです。天気が悪い日は鍾乳洞の見学、夜は星空。季節によって、春は野焼きのあとの黒い大地と新芽、夏は一面の緑、秋はススキと、まったく違う景色になります。
平尾台でキャンプやバーベキューはできますか?
できます。ソラランド平尾台(平尾台自然の郷)にキャンプ場とバーベキュー施設があります。山の家 粋邑 HIRAODAI では、ご宿泊の方向けにテント(4人用)・タープ(10人用)・BBQセットをオプションでご用意しており、芝生の庭でキャンプやBBQができます。
平尾台の天気や気温は市街地と違いますか?
違います。標高が高いため北九州市街地より寒冷で、年によっては4月でも雪が降ります。風も強くなりやすいので、春先や秋冬は一枚多めの上着をお持ちください。お出かけ前に平尾台の天気予報をご確認ください。
平尾台はどこにありますか?
福岡県北九州市小倉南区に広がるカルスト台地です。行橋市、田川郡香春町、京都郡苅田町、みやこ町にもまたがります。小倉駅から車で約30分です。
平尾台は何に指定されていますか?
国の天然記念物(1952年指定・320ha)、北九州国定公園(1972年指定・平尾台域1,144ha)、福岡県立自然公園(1950年指定)に指定されています。
「羊群原」とは何ですか?
草原に点在する白い石灰岩が、草をはむ羊の群れのように見えることから名づけられた平尾台の代表的な景観です。
「ドリーネ」とは何ですか?
石灰岩が雨水に溶かされてできる、すり鉢状のくぼ地のことです。平尾台には大小のドリーネが点在しています。
鍾乳洞は見学できますか?
カルスト台地が広がる平尾台には、千仏鍾乳洞、牡鹿鍾乳洞、目白鍾乳洞と3つの鍾乳洞の一部が観光化され、見学できます。
平尾台の野焼きはいつ行われますか?
毎年2月中旬から3月上旬ごろに行われます。日程は天候によって延期されることが多く、たとえば2023年は2回延期されて3月5日に実施されました。最新の日程は北九州市・苅田町の告知でご確認ください。野焼きのあとは、黒く焼けた大地から白い石灰岩が浮かび上がる、この時期にしか見られない景色になります。
文・運営 HUG Hiraodai Project(株式会社かいこ)/代表取締役 壹岐尾 恵美 最終更新
このページの出典(7件)
- 平尾台の紹介文・周辺施設:山の家 粋邑 HIRAODAI 公式サイト Locationページ(移行元)
- 指定年・面積:平尾台自然観察センター「平尾台について」
- 地質・歴史の要約と年表:平尾台で出会う旅(hiraodai.net)「そして、石はひつじになる。」
- 野焼きの時期・面積・担い手・防火帯・2023年の実施日:森林文化協会「北九州・平尾台の『野焼き』どう継承」/平尾台で出会う旅「野焼きが生み出す風景」
- 気候(市街地より寒冷、年によっては4月でも降雪):Wikipedia「平尾台」
- 平尾台自然観察センターの開館情報(入館無料・月曜休館):福岡県・各観光情報サイト
- 写真:山の家 粋邑 HIRAODAI(photographer/Shigeru Honda ほか、紹介ムービーの静止画を含む)、平尾台で出会う旅(hiraodai.net)
記載内容は施設運営者が確認しています。価格・営業日は変更される場合があります。